KV値・最高速計算機の使い方 - ESCログの読み方と活用方法
ツールの概要
このツールは、ESCログ/テレメトリと車体セッティング情報から、KV値・推定最高速・RPM効率を計算します。画面上部のタブで「KV簡易測定」「最高速推定」「実走データ評価」を切り替えて使います。
主な機能
- KV簡易測定: 無負荷最大RPMと最小電圧からKVを推定
- 最高速推定: ギヤ比・タイヤ径・実走最大RPMから推定最高速とFDRを算出
- 実走データ評価: RPM効率と温度から負荷の目安を確認
必要機材
本ツールを活用するには、走行ログ(回転数・電圧・温度など)を取得できるESCが必要です。
- 走行ログ取得機能を備えたESC。例: Hobbywing XeRun XR10 シリーズなど
- ESC内のログ/データを参照するための機材。メーカー純正のプログラムボックスやデータリンク/アダプターなど。必要かどうかはESCにより異なります
使い方
KV簡易測定 - 無負荷回転数からKVを推定
モーターを無負荷で回し、ESCログから「無負荷最大RPM」と「最小電圧」を取得してKVを計算します。
- 安全のため車体をスタンドに載せ、回転体に触れない状態にします。モーターからピニオンを外して無負荷にします
- ESCのログ記録/テレメトリが有効で、RPMとバッテリー電圧が記録されることを確認します。タイミングはゼロ(ブリンキー)に設定します
- 満充電のバッテリーを接続して電源ONします
- アクセル全開を短時間、目安5秒程度継続し、すぐに戻して停止します。ESCによっては、ログ記録のために全開を数秒続ける必要がある場合があります
- ESCによってはログ保存のために追加操作が必要な場合があります(一度電源OFFするなど)。各ESCの手順に従ってください
- ログを参照し、全開区間の「最大RPM」と「最低バッテリー電圧」を控えます。最大RPMが無負荷最大RPM、最低バッテリー電圧が最小電圧です
- 2つの値を入力して「計算」を押すとKVが表示されます
最高速推定 - 推定最高速度とFDRを計算
車体のギヤ比・タイヤ径と、実走ログの最大RPMから理論上の最高速度を推定します。
- 車種モデルは任意です。選ぶとタイヤ径・内部減速比・スパー候補が自動入力されます
- スパー歯数、ピニオン歯数、内部減速比、タイヤ径を入力します
- 実走ログから最大回転数を控えて入力します
- 「計算」を押して推定最高速度とFDRを確認します
- ギヤ変更やタイヤ径変更の前後で結果を比較し、狙いの速度/負荷に近づけます
実走データ評価 - RPM効率と温度をチェック
実走最大RPMと無負荷最大RPMからRPM効率を算出し、温度と合わせてモーター負荷の目安を確認します。
- 実走ログから、最大回転数・モーター温度・ESC温度を控えます
- 各値を入力して「計算」を押します
- RPM効率と評価を確認します。評価は「適正」「過負荷」「余裕過多」のいずれかです
- 温度評価もあわせて、ギヤ比や冷却、電流設定の見直しの目安にします
最高速・FDR・KV値の計算式と仕組み
本ツールは入力したログ値・車体情報から、以下の式で計算します。
KV簡易測定 - 無負荷回転数からKVを推定
無負荷最大RPMと最小電圧からKV(rpm/V)を求めます。
KV = 無負荷最大RPM / 最小電圧
最小電圧は、無負荷最大RPMを記録した区間の最低電圧を入力します。なお、この方式で計算されるKVは概算であり誤差があります。
総合減速比 (FDR)
FDR = (スパー歯数 / ピニオン歯数) × 内部減速比 FDRはモーターが1回転する間にタイヤがどれだけ回るかを示す指標です。ツーリングカーやオフロードなど、カテゴリごとの推奨FDR(指定ギヤ比)に合わせる際の基準になります。
最高速度計算
速度(km/h) = (モーター回転数 / FDR × タイヤ径 × π × 60) / 1,000,000
タイヤ径は mm、回転数は rpm、結果は km/h です。
RPM効率とは?(負荷状態の可視化)
実走最大RPMが無負荷最大RPMに対して何%かを示す指標です。回転の落ち込み量から、駆動系やギヤ比による負荷の目安を確認できます。 • 効率が低い(70%未満): オーバーギヤ(ハイギヤ)気味で、モーターに過度な負担がかかっています。発熱の原因になります。 • 効率が高い(85%超): アンダーギヤ(ローギヤ)気味で、回転を持て余しています。速度アップの余地があります。
RPM効率(%) = 実走最大回転数 / 無負荷最大回転数 × 100
温度評価
- モーター温度: 80℃未満=適正、80℃以上=過負荷
- ESC温度: 80℃未満=適正、80℃以上=過負荷
よくある質問
Q: ESCログのどの値を入力すればいいですか?
KV簡易測定では、無負荷で全開にした区間の最大RPMと、その区間の最低バッテリー電圧を入力します。最高速推定と実走データ評価では、走行時の最大RPMと温度を入力します。
Q: 全開は何秒やれば良いですか?
目安は3〜5秒です。長時間の空回しは危険なので避けてください。
Q: KVが極端に大きい/小さいのですが?
単位(rpm/V)と入力値を見直してください。RPMがeRPM(電気角回転数)表記のログや、電圧がパック電圧ではなくセル電圧の項目になっている場合は、値が大きくずれることがあります。
Q: 無負荷最大RPMは毎回入力が必要ですか?
毎回は不要です。KV簡易測定で入力するとブラウザに保存され、実走データ評価の入力欄に自動入力されます。必要なら手動で上書きできます。
Q: RPM効率が100%を超えます
入力値の組み合わせミスの可能性が高いです。別走行のログを混ぜていないか、無負荷RPMが小さすぎないか、RPMのスケールが違っていないかを確認してください。